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冬の朝。

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写真: 冬の朝。

写真: 有終の晴れ舞台。 写真: 夏草と、蒼い風。

天気予報はあまり思わしくないものの、天理を目指す蒼い客車が東北からやって来るとの報を聞き、まだ夜も明けぬうちから奈良・大和路へ。

暗い中いつもの場所に着くが、今まででは考えられないような大勢の車の列、そして多くの好事家たち。
中には遠方から徹夜で走ってきた人や、昨晩から泊まり込みで現地に張っていた人、年齢層もさまざま、女性の方の姿も。聞こえてくる会話の端々に「天理臨のブルートレインは今春で運転を終了するらしい」との噂がちらほら。

東日本では唯一国鉄時代から続いてきた名称の「あけぼの」が間もなく姿を消す状況、いよいよ「ブルートレイン」という存在が貴重に、またその終わりが近づいているということをこの人出で実感した。にしても祭りのような相当な人だかり、暗い中すでにその雰囲気に圧倒された。

定番の場所はすでに5〜60人が三脚を構えており、のびのびと撮れないことやいつもと違ったアングルも試してみたいと思い少し下がった用水路の土手からサイド気味に写すことにし、寒い冬の夜明けを、そして列車の来る「一瞬」を待つ。

夜が明けたようだが、ちっとも晴れ間は見えない。西の空はあと数時間は大丈夫そうだが、肝心の朝陽が弱く、露出計の値は相変わらず低いまま。
雲に覆われた空模様に露出を半ばあきらめて高感度での撮影の覚悟を決めた午前8時前、踏切が鳴った。

と、それまで東の空に厚く延びていた雲の隙間から、暖かい陽が差し込んだ。

迫る通過に慌ててカメラの設定を変更。

曇天の予報の中の思いがけない陽光に感謝していると、終着・天理を前にのんびりとした足取りのDD51に率いられた蒼い客車が通り過ぎて行った。

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