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最後の旅立ち。

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写真: 最後の旅立ち。

写真: 静かなレジェンド。 写真: 澄み渡った夜空、DD。

ブルートレインが天理にやって来てはや2日。ひょっとするとこれが青森所属の24系客車のラスト・ランになるのではないかとの噂が流れてきた。
これまでも毎回「天理臨ブルートレインは今回が最後」と言われながらも走り続けてきた。ひとえに天理教をはじめとする関係者の熱意によるものであろうし、いち好事家として改めて長年の運行継続に感謝するものだが、しかし今度は裏付けに足る事象があまりに多い。
まず、3月に北陸新幹線開業によりそれに並行する北陸本線が複数の第三セクターに移管、つまりブルートレインの運行ルートが分断されること。一般向け記念イベントとしても昨秋ブルートレインが運転されたことは記憶に新しい。
さらに、去る年末には青森所属の客車の一部が廃車処分された。
「日本海」「あけぼの」と定期運用が消滅し「北斗星」すら定期運行を終えようとしている今、最若年でも昭和53年製となる客車の老朽化は著しい。

そして往路の沿線で見聞きした好事家たちの熱狂ぶり。
理解に苦しむ一部悪質マニアの「暴走」も報じられた。
実際自分は鉄道職員でもなく、ツテもないけれどもこの状況から推察するに、最後の機会と捉えた方がいいのだろうなと思い、この日偶然別件で仕事を早退したついでに、撮影に出ることを決めた。

早めに所用を済ませ、まだ日の高いうちから京都駅裏の跨線橋脇にカメラを構える。
最初我々だけだったのが、1人増え2人増え、最終的に撮影者は50人以上にふくれ上がった。
そのうちに奈良で撮影に向かった仲間から、無事出発していったのと報を受ける。
いつもより長い汽笛だったとのこと、やはり大和路に別れを告げるラスト・ランなのか。

すっかり日も暮れた。
冷え込みも厳しくなってきた京都の夜。
そこに後方から甲高いDD51のホイッスル。

来た。

構内に反響するディーゼルエンジンの鼓動。

到着して間もなくDD51 1192は切り離され、ほどなく向日町から出庫してきたEF81が蒼い客車に近づく。
ラストランを先導するのは伝統のローズピンク色を堅持する、敦賀のEF81 106。

前後の2機の機関車そして操車係の作業灯。
無我夢中で客車列車らしい機関車交換の動作を一つのフレームに収めた。

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